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AIを使って商品開発はできる。具体的な使い方と事例も紹介

AI(人工知能)に関するニュースを耳にする機会が増えている時代、さまざまなシーンでAIを活用したいと考える人が多いと思われます。特に最近ではAIを活用して商品開発を行うことが注目されています。

なので、今回は具体的に商品開発にAIが活用された事例等をご紹介します。AIに関する知識を身につける上で役立つヒントになれば幸いです。

AIを使って商品開発をすることはできる?

優れたデータ分析ができるAIは、様々なビジネスシーンで活用されています。AIの開発が進みその精度が高まるなかで、事業の根幹を成す商品開発をすることも可能な時代へと突入しています。

具体的には、コカコーラやキリン、サッポロビールといった大手食品メーカーの商品開発において、AIの分析力や予測力が活用された事例があります。スーパーやコンビニの棚に並ぶ私たちにとって身近な商品の開発にもAIが使われていると知れば、AIの技術革新がいかに進んでいるかに関する理解を深めやすくなるでしょう。

商品開発のためにAIをどうやって使う?

購買者が好む味を可視化

商品開発のためにAIを使う際には、どのような方法で活用されているのでしょうか。食品や飲料メーカーの商品開発では商品の購買者が好む味の傾向を分析してデータとして可視化し、次のトレンドとなるフレーバーを予測するために活用できます。

ターゲット層の違いによって、どのような嗜好の違いがあるかといった情報をデータ化して、購買者が好む味を正確に把握できるのは、AIアルゴリズムを活用するメリットです。

食品や飲料の分野においては新商品が生き残るのは実に難しく、新商品のうち9割以上が発売して3年以内に市場から消えてしまうとも言われています。AIを使って新商品の開発を進めると、購買者の好みと新商品の味に齟齬が生じにくく、購買者に受け入れやすい味の商品を開発しやすくなります。

熟練者の属人化を解消

優れた機械学習の機能を備えたAIを使うと、過去の熟練者の持つ技術をデータ化した上で、実際に商品を製造開発する段階で活用できます。

AIのアルゴリズムを活用すれば、微妙な原材料の配合の差によって、味にどのような違いが生じるかを予測でき、商品開発の試作をより効率よく行うことが可能です。

熟練者の技をデータとして取り入れることで熟練者の属人化を解消して、安定して製品を生産できる環境を整えられるのは、AIアルゴリズムを活用するメリットです。

AIを使って商品開発をした例

ここからは、実際にAIを使った商品開発に成功した事例をご紹介します。

コカコーラ

2019年に日本コカコーラが発売したリラクゼーションドリンク「チルアウト」の商品開発の裏側では、AIが活用されました。「チルアウト」は、日本コカコーラが、美容やリラクゼーション関連の商品開発に力を入れるI-neが設立したエディアンに出資して、商品開発が進められました。

ストレス時代に対応する新感覚の「チルアウト」を商品開発するにあたっては、嗜好が違う10人の被験者に20の質問を投げかけ、それらの回答と消費者全般に当てはまる嗜好の傾向をAIで分析しました。AIを活用することで、フルーツ系の香りと清涼感のある香りのバランスが取れたリラックスドリンクが求められていると分析し、「チルアウト」の味を決定しました。リラックス効果が期待できる「チルアウト」の味は、現代社会に欠かせない存在であるAIのお墨付きの味とも言えるのです。

キリン

キリンにおいても、AIアルゴリズムを使った商品開発が進められています。キリンがビールの商品開発において活用しているのが、三菱総合研究所と共同開発した「醸造の匠AI」と呼ばれるAIアルゴリズムです。

キリンのビール開発の現場では消費者が求めている嗜好に合ったビールの情報を営業部門から収集し、その情報をもとにして商品開発が行われます。細かな原材料の配合を考えて購買者に求められる味を作り上げるには熟練の技と経験が必要とされ、熟練者でなければ対応が難しいと言われてきました。

AIアルゴリズムの「醸造の匠AI」によって熟練者の技をデータ化してレシピの試作に生かすことで、試作を何度も繰り返すことなく味の予測ができるようになり、商品開発の効率化が進みました。「醸造の匠AI」は、熟練者の技を後世に残すという意味でも、商品開発を迅速に行うという意味でも、AIアルゴリズムが活用されている成功事例です。

サッポロビール

次に紹介するAIを使った商品開発の例は、サッポロビールです。サッポロビールがビール開発において活用しているのが、日本IBMが開発した「N-Wing★(ニューウィングスター)」です。

N-Wing★(ニューウィングスター)は、RTDを対象とするAIを使った商品開発システムです。RTDとは、Ready To Drinkの頭文字を取った略称であり、プルタブを開ければすぐに飲めるタイプの低アルコール飲料を指します。具体的には、サワーやカクテル、酎ハイといった缶入りのアルコールドリンクが、RTDにあたります。

キリンでは低価格で手軽に飲みやすいRTDの市場拡大を受けて、2023年夏以降、N-Wing★(ニューウィングスター)の商品開発システムを活用したRTDの商品開発を進めています。

N-Wing★(ニューウィングスター)は、AIならではの高度な学習機能を生かして、サッポロビールがこれまでに開発したアルコール飲料の配合成分や味を学習しています。新しい商品開発におけるコンセプトとなるキーワードを入力すると、理想とされる原材料の比率や組み合わせを提示してくれるという性能を持っていて、商品開発の効率化を目指せるのが特徴です。

IBMが時代に合う自動化のシステムとして提唱するインテリジェント・ワークフローを取り入れたN-Wing★(ニューウィングスター)は、オペレーションの自動化など、製造現場における効率化を実現するにあたっても、プラスになる部分が多いシステムです。

AIを使った商品開発のまとめ

今回はAIを使った商品開発についてご紹介しました。AIはデータを与えることでそこから学習し、精度がどんどん上がっていきます。なので、早くからAIを使った商品開発に取り組むことがおすすめです。まずは消費者の嗜好を可視化するところから始めてみてはいかがでしょうか。

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Automagica編集部

バーチャルアシスタント(AI秘書)サービス「Automagica(オートマジカ)」を中心に、AIキャラクターの開発をしております。

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