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AIモデルとは?AIを使ったアプリの作り方やモデルの種類を解説

AIの技術が発展し、導入がしやすくなったということで、AIを活用する企業も多くなっています。スマホに搭載されている音声アシスタントやお掃除ロボットなど、身近なところでもAIは使われています。

しかし、AIモデルについて、しっかり理解していない人もいるでしょう。今回はAIモデルとはどういったものなのか、モデルの種類や作り方などを詳しく解説します。

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AIモデルとは

AIモデルというのは、機械学習モデルとも呼ばれている、データ解析の手法の1つです。

「入力→モデル→出力」というプロセスを経て、様々なことを学習するのがAIモデルになります。人間が色々なことを経験し学んでいく行為を、AIも行っているということです。

例えば人間の音声を聞き取り文字起こしするようなAIは、音声を入力データとして受け取り、解析した結果を出力するというプロセスを経て学習されたものです。

では、「入力」「モデル」「出力」という3つのプロセスが、具体的にどのようになっているのか、詳しく見ていきましょう。

入力

AIに何かを学ばせるための材料をインプットする作業が、「入力」の工程になります。

人間と同じような知性や知能を持ったものがAIとなるため、人間の「視覚」「聴覚」「触覚」に当たるデータをインプットしていきます。

画像データが視覚、音声データが聴覚、センサーデータが触覚として変換されます。

ただし、何を目的としたAIモデルを作成するかで、与えるデータは変わってきます。店舗売上を予測するAIモデルを作成する際は、その日の天気や気温、曜日などのデータを与えることが多いです。

モデル

「入力」でインプットした様々なデータを、機械学習する作業が「モデル」です。この工程では、少しでも多くのパターンをAIに学習させることが、重要なポイントになります。

モデルで学習したパターンが多くなればなるほど、AIの精度も向上します。店舗売上を予測するAIモデルを作るために、天気・気温・曜日という3つのデータを入力したのであれば、それぞれがどのように影響するのか、様々なパターンを学習させることで精度の高いAIモデルを作成することが可能です。

出力

「出力」は、モデルの段階で学習させた内容を、実際にアウトプットする作業です。入力した画像データや音声データが、思ったとおりに出力されれば問題ありません。

例えば、画像データを分類するAIモデルの場合、人間は人間の画像として、動物は動物の画像として出力されれば成功です。

もし、本来人間の画像として出力されなければならないものが、動物の画像として出力されたのであれば、学習が不十分ということになります。

その場合は、「入力」や「モデル」の工程に戻り、再度データのインプットや学習を行い、精度を向上させていきます。

一度の作業で精度の高いAIモデルが完成するケースは少ないため、何度も「入力→モデル→出力」のプロセスを繰り返し、運用できるレベルまで精度を高める必要があります。

AIモデルの種類

AIモデルにはいくつか種類があります。ここからは、AIモデルの種類について詳しく解説していきます。

教師あり学習

教師あり学習というのは、事前に正解となるデータを入力し、AIモデルを作成する手法です。

正解となるデータにラベルを付けておくことで、入力されたデータが正解に近いかどうかを、AIモデルが判定できるようになります。

例えば画像データをインプットする時、犬の画像データに「犬」というラベルを付けて正解の画像をAIに覚えさせます。その後、様々な犬の画像データを読み込ませ、どのような要素が犬というものを形成しているのかを学習させれば、犬の画像と他の画像を区別させることができます。これが教師あり学習です。

教師なし学習

教師なし学習は、正解となるデータを与えずに、色々なデータを読み込ませて学習させる手法です。

正解となるデータがないため、AIが自らの判断で、様々なパターンを学習していきます。

画像などを分類させることはできませんが、データの中にある未知のパターンを探る際によく使われています。AIだけに任せると出力の精度に不安が残るため、最終的には人間が確認しなければなりません。

ディープラーニング

ディープラーニングは深層学習とも呼ばれる手法で、大量のデータをAIに読み込ませて、ルールやパターンを学習させます。

人間の手を使わず、AIのみでデータ分析できるというのがディープラーニングの特徴です。

画像認識や異常検知、自然言語処理などにディープラーニングのAIモデルが用いられています。

AIモデルの作り方

ここからは、実際にAIモデルを作る時の流れを見ていきましょう。

データを集める

AIモデルを作る時は、まず材料となるデータを集めることから始めます。

AIにどのようなデータを入力するかによって、AIモデルの精度は大きくかわります。データの質はもちろん、量も重要な要素になるため、膨大な数のデータを収集することになります。

ただし、闇雲にデータを集めても意味がありません。間違ったデータをAIに入力してしまうと、出力した時の精度が落ちてしまうからです。

AIに入力させるためのデータを集めたデータセットや、APIなどもあるので利用するのもよいでしょう。

データの加工をする

収集したデータは、そのままAIに入力してもあまり意味がありません。AIが学習しやすいように、データを加工した上で入力していきます。

具体的には、集めた画像や音声などのデータにタグを付ける作業をします。アノテーションと呼ばれる作業で、データにタグを付けておくことで、AIがデータのパターンを認識できるようになります。

タグ付けされていないデータを入力しても、AIは正しく学習することができないので、アノテーションは必ず行わなければなりません。

モデルを構築する

データの加工が終わったら実際にモデルを構築していくのですが、AIモデルには様々な種類があります。

音声認識をするもの、画像認識をするものなど、同じAIモデルでも得意とする分野が変わるため、目的に応じてどのようなモデルを構築するのか考えなければなりません。

また、モデルを構築する際には、機械学習アルゴリズムを用いてトレーニング(ネットワークの重み付け)を行うことも、重要な作業になります。

繰り返し学習させる

モデルを構築し、AIモデルが完成したからといって、そこで作業が終わるわけではありません。

AIモデルというのは、使われる環境が変化していくと、予測精度が劣化してしまうケースがあります。そのため、状況に合わせて定期的に精度を改善していかなければならないのです。何度も繰り返し学習させることが、精度の高いAIモデルを作るポイントになります。

継続的にAIモデルを改善し、精度を高める考え方をMLOps(機械学習基盤)と言います。

AIOps(Algorithmic IT Operations)と呼ばれる、問題解決を自動化しIT運用の管理を簡素化する手法も注目を集めているため、MLOpsはより重要視されるようになりました。

AIモデルを作る際は、モデル構築で終わらせずに、長期的に運用することが大切です。

AIモデルを開発できる人材の需要は高まっている

AIモデルの開発が進み、様々な分野で活用されるようになりました。業務の効率化やコストの削減もできるAIは、欠かせない存在になっています。そこで需要が高まっているのが、AIモデルを開発できる人材です。AI関係の求人も多く出されているので、AIを使った開発に興味がある人は、AIモデルの種類や作り方など、基本的な知識を身につけておくようにしましょう。

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Automagica編集部

バーチャルアシスタント(AI秘書)サービス「Automagica(オートマジカ)」を中心に、AIキャラクターの開発をしております。

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